第47章 ウォルターパーク
「……また、連れてきてやっても良いぞ?」
「えっ?…騒がしいところは嫌いなんじゃ、」
「…何やら、シチロウと頑張ってるのだろう?
ご褒美をやっても罰は当たるまい。」
「えっ、えっ、」
突然の提案に、あたふたする美雪。
そんな甘い空気を壊すクラスメイト達。
「カルエゴ先生!!こうなったら、厳粛に!
全力で楽しんでいただこう!!」
「やめろぉぉぉ~」
男子達がカルエゴ先生を引きずっていった。
本当に誰も私に気がついてくれない。
どうして?
涙が出そうになる。
ピロリン。
通知音。
ス魔ホを確認すれば、楽しそうな写メ。
「…やけ食いしてやる。」
屋台で色んな食べ物を買い込んだ。
カシャ!
「ダメだ!!!」
「全然楽しそうじゃねぇよ。面白いけど!!」
「引率が終わったら覚えておけよ貴様ら…」
カラフルで可愛い食べ物や小物を沢山並べて、苦々しい表情で写真を撮られるカルエゴ先生。
男子達は射的の屋台に流れていった。
男子達が離れたのを確認して、カルエゴ先生の隣に座り、買い込んだ食べ物を広げた。
「先生、お邪魔します。」
「……買い込んだな。」
「止めないで下さいよ。やけ食い何ですから。」
「……他のチームに合流しても良いぞ?シチロウのチームなら楽しいだろう。」
「だから、カルエゴ先生は良いんですよ。あの人達に腹が立つだけだから。」
「………」
「あっ、これ美味しい。先生、食べてみて?」
「……どれだ?」
「はい、あ~ん!」
「……バカ者」
差し出されたフォークの先のお菓子を口に含むと、ほんのり甘い優しい味。
「…うまいな」
「でしょ!」
恋人みたいな雰囲気を醸し出していた二人をジャズが激写。
「な、何してんの、あんたら。」
「あれ?美雪っち、いつきたの?」
「……ふざけてんですか?私は、最初からこのチームです。」
「まじで?」
「すんませんでした!!」✖4
何時もは大人しい彼女が、今日に限ってはダンジョンのラスボス並みに荒ぶってらっしゃる。
原因は、彼女が居ることに気がつかなかった自分等にある。
4人して土下座かましたけど、怒りは解けないらしい。
ピロリン
「うわッ!なんだなんだ!」
「バラムチームから大量の写真が……!」
バラムチームから大量の楽しい写真が、通知音がひっきりなしで送られてくる。