第43章 スキ魔⑫
入間に渡すつもりだと言う絵本を見せてもらっている。
「へー面白いですね。解釈が違うとここまで解りやすくなるんですね。さすが、バラム先生。」
「……褒めすぎじゃない?」
「そうですかね?先生職って頭が良くないと出来ないと思ってますから、頭はいい人だと思ってました。おまけに、絵本作家の才能とか。イラストも可愛いし。天は二物を与えずとは言いますが、先生は色々と持ってますね。」
「……………やっぱ、褒めすぎだよ。」
とても照れたらしい。
教室で、クララちゃんが考案した踊って歌って暗記する歌をクラスメイト達に教えて皆で踊っていた。
何時の間に来たのか、カルエゴ先生がひきつった顔で此方を眺めている。
何となく、カルエゴ先生が思ってることを察する。
踊りの輪から外れて、先生の側に近寄って声をかける。
「カルエゴ先生も一緒に踊ります?」
「……可笑しくなったのか?」
「いえいえ、暗記の為に歌を歌いながら踊ってるだけで、可笑しくはなってないです。ちゃんと歌詞聞いてくださいよ。」
「………確かに。課題が多すぎて可笑しくなったのかと思ったぞ。」
「ひっどいな~」
「その言い方はやめろ。」
事情を把握したカルエゴ先生に席につけと怒られたのでした。
何となく、八つ当たりに近い。