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鬼滅の刃 戯れ事 (短編)

第12章 *X染色体 時透無一郎


今日は久しぶりの合同任務。

しかも相手は無一郎ときた。

『無一郎君となんて私幸せだわっ!』
「うるさいから黙って」


はーいと語尾にハートが付きそうな勢いで返事をする。


鬼がいる場所へとたどり着けば
どうやら血鬼術を使えるもよう。

苦戦しつつもなんとか倒し終えた後、ある異変に気がつく。


『…無一郎…』

「………」

ないはずの膨らみが無一郎にあって、
股間にないはずのぶら下がったものがにはついていた。


『よくもやってくれたわね!!!

ありがとう!!さっきの鬼!!

敵ながら見事な血鬼術
初めて感謝を伝えるわ!!!』

「…最悪」

嬉しいと喜ぶとは対照的に無一郎はがくりと肩を落とした。

そう、今回の血鬼術は性転換だったのだ。



『うふふっ…無一郎ちゃんもう、可愛くて仕方がない!!』

いつもは同じくらいの身長で差はほとんど無いのだが、今のは170を優に超えていた。
そして、今の無一郎は10㎝くらい低くなりおおよそ150㎝だ。

無一郎を抱き上げ、小さい子供にするようにたかいたかいをするに無一郎はいい加減にしろとキレた。



『見てみて!この腹筋の割れ目!!』

隊服の上を脱ぎ、腹筋を無一郎に見せるは興奮のあまり羞恥さえも脱ぎ捨てたようで。

自分が男になって楽しんでいた。

『だって、凄いの!!…いつもより目線は高いし、握力だって格段と上がったわ!!』

「…はいはい…それよりいつ戻るのかな」

現実を受け入れた無一郎はを軽くあしらった後、また一つ小さなため息をはきだす。


蝶屋敷へと赴けば胡蝶が笑顔のまま固まる。


「えっと…話を纏めると時透君とさんが血鬼術にかかり性別が逆転したと言うことですね…


『そうなんだよね…私はしばらくこのままで良いと思うんだけど…無一郎ちゃんが』

「だから、ちゃん付けやめて」

ありもしない現実。
受け入れがたい真実に胡蝶は頭が痛くなった。
それでも目の前の二人が嘘ではないと物語っていた。

「…時間が経てば戻るのか、何か条件があるのか…少し調べてみますね」


その日は診察だけで終わった。


お館様には既に報告済で
敵の術にかかっての任務は危険だからと自宅待機を余儀なくされた。
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