第9章 *極悪非道 時透無一郎
「おじさんもまだ若いよね??
自分の娘と同い年の女の子相手に頑張っちゃってさ
」
突拍子もないことを笑いながら話す無一郎に震えが止まらない。
『さっきから…何を言ってるのっ?
』
「あ、見たい?…ほら、これ…」
無一郎はズボンのポケットをがさごそ漁ると、しわくちゃになった一枚の写真を取り出した。
目の前に見せられるのは
自分の父親と無一郎に告白してた可愛い女の子の乱れた姿。
『っい、いやっ!!』
「だろうね…こんな父親の娘なんてショックだと思うよ?可哀想に…いくら女に飢えてるからって、誘ったら張り切っちゃってさ…あ、他の子の写真もあるけど見たい?」
無一郎はそう言って立ち上がると
すぐ後ろの押し入れから小さい紙袋を取り出した。
そして、紙袋の中身を片手で持ち上げ頭上からばらまいた。
はらはらと無数の写真が舞い落ちる。
どの写真も父親と色んな女の子の情事が写し出されていた。
「凄いよね…この子達、僕の言うことなんでも聞いてくれるんだから」
『っ?!あ、貴方が仕組んだことなの?!!』
「僕はきっかけを与えただけであって、後は全ておじさんが我慢できずに手出しただけだよ??」
この写真をおじさんに見せたら青白い顔しちゃってさと嘲笑う無一郎に怒りが抑えられない。次々と押し寄せられる激情に頭がおかしくなりそうだった。
なんとか立ち上がって、無一郎に蹴りを食らわそうとするも、鎖を下に強く引っ張られ床へ激突する。
痛みで涙が出そうだった。
「そんなに、怒んないでよ…あ、そうだ…もっとイイコト教えてあげよっか?」
『…っ私にとってはどれも悪いことよっ!』
床にひれ伏す私を楽しそうに見下ろす無一郎はまた押し入れを漁り
黒いごみ袋を私の横に置いた。
何故だろう…とても嫌な予感がする