第5章 勘違いもほとぼどに 時透無一郎
『それが最期の言葉でいいんだな?!無一郎を新しい世界へと導いたこと…万死に値する!!』
再び日輪刀を構え、意味がわからないと叫ぶ炭治郎に飛び付くとバランスを崩した炭治郎と一緒に床へと倒れ炭治郎の首、数㎝横に白刃が床に深く突き刺さった。
「ひっ?!…お、落ち着いてください!!さんっ!
俺何のことかさっぱりわからないです!」
『とぼけたって無駄よ!!私聞いたんだからっ!!貴方、無一郎から愛の告白受けたんでしょ!!』
「……え?」
『…好きなんだって!それに対して貴方も好きだって返したじゃない!!どうしてくれんのよ!!無一郎が貴方に…男性が好きになっちゃったら、私の入る隙ないじゃない!!』
完全に八つ当たりだと炭治郎が思うも、が勘違いしてることに気づく。
鍔をはなしポカポカと炭治郎の胸板を叩く手を両手で止め
誤解を解くため口を開いた。
「誤解ですって!
確かにそんな会話はしたんですけど、それは御手洗団子が好きって話で!」
『……え?』
数分間の沈黙後、正気に戻った。瞳を大きく開け、炭治郎の顔をこれでもかと言うほど凝視する。
『好きって…御手洗団子なの?』
「はい…それで、さんのためにとさっき時透君が甘味処へ…」
『ごめんなさいっ!!炭治郎君!!私ったら大きな勘違いして炭治郎に多大なる迷惑をかけてしまって』
炭治郎の上で焦る。涙目になりながら何度も何度も謝るに炭治郎は大丈夫と笑う。
『ありがとうっー!!炭治郎君って優しいんだね!!許してくれてありがとうー!(友達として)好きだよ!!』
「…何してるの?」
デジャヴ
この日ほど運がついてない日はないじゃないかと思うくらいすこぶる運が悪かった。
片手で御手洗団子が入ってるであろう箱を握りつぶし、仁王立ちする時透無一郎。