第5章 勘違いもほとぼどに 時透無一郎
その表情はいつものように無表情で感情が読みにくいのだが、夏だというのに、室温が一気に下がったような気がした。
「ねぇ、何してるのかって聞いてるんだけど」
「あ、時透君…特になにかしてるわけじゃ「…僕は炭治郎に聞いてるんじゃないよ」…ごめん」
無一郎はずかずかとの横に立つと、炭治郎と引き剥がすべくの手首を思いっきり掴んで引っ張りあげた。
『…違うの!これは別に疚しいことなんて「…何が違うっていうわけ?…炭治郎押し倒して、僕が帰らなかったら事に及んでたんでしょ?」
凍てつくような鋭利なまなざしで睨まれれば、何も言えず口籠ってしまう。
そんな、を気にすることなく、炭治郎に悪いけど今日はもう帰ってと伝えれば有無をいわさない威圧感に炭治郎は霞邸を後にした。
「…覚悟はできてるよね?」
ニッコリ笑う無一郎には
これから起こるであろうお仕置きに冷や汗が頬を伝うのだった。
後日、どこかスッキリした表情をした無一郎と
腰に手を当てながら辛そうに歩く
を数名が目撃したそうな。