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鬼滅の刃 戯れ事 (短編)

第35章 疑惑 時透○一郎





『…あれ?…』


無一郎さんの部屋のドアが半開きになっていた。
普段はちゃんと閉めてあるから、気にはしなかったのだけれど
目の前で開いてるとなると…とても部屋の中を見たくて、うずうずする。

駄目だと知りながらも、足は少しずつ近づいていき、荷物を下に置いた私は恐る恐る扉の隙間に目をやった。





そこはとてもシンプルで、必要最低限の物しか置いてなかった。
黒を基準に、統一された部屋はとてもシックで落ち着けるような空間だった。


掃除が行き届いてる部屋は特にこれといった物はなくて、静かにドアを閉めようとした。けれども、かたんと何かが倒れる音がして、再び視線を向けると写真たてが倒れていた。


『…風で倒れちゃったのね』


写真たての後ろには、窓があって。
換気のため、窓が開いてたみたいで
カーテンに押されて、写真たてが倒れたみたいだった。


写真たてを直すべく、緊張しながら部屋へといる。

『(写真たて戻したら早くでなきゃ…)』


もし、無一郎さんが帰ってきて居合わせてしまったら大変だ。

まだ帰ってくる時間ではないけれど、そんな不安が頭を埋めていく。

倒れた写真たてを起こせば、
今度は手が震えて、また倒れてしまった。




『…え…っ…ふ、二人…?無一郎さんが…っ?』



震える両手で、今度は落とさないように包むように持つ。

そこには、無一郎さんが二人…いや無一郎さんと似た人が隣で笑っていた。
無一郎さんは満面の笑みで笑って、無一郎さんに似た誰かは、どこかぎこちない照れたように笑っていた。
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