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鬼滅の刃 戯れ事 (短編)

第34章 *スカビオサの花言葉時透無一郎



「…あぁ…そんなのも居たね…今ごろ、腐敗してる頃かな?」


『な、何をおっしゃって…』


すると霞柱様は、にこりと笑いながら私に覆い被さると、長い髪がたらりと私の周りを囲うように落ちて私を閉じ込めた。
まるで小さな牢獄のようだった。


「邪魔だったから…最初は君の身の回りの世話を頼んだんだけど…団々邪魔に思うようになって…つい殺しちゃったんだよね」

悪怯れる様子もなく、にこにこと笑う霞柱様は今まで接した霞柱様と別人のように思えて他ならなかった。
あんなに、優しかった霞柱様はどこへ目の前に起こった出来事は全て夢ではないのだろうか。
現実を直視できない、出来事に非現実的な事が頭を過る。

はぁはぁと頭上から、聞こえる荒い息づかい、紅潮に染まる頬に熱を孕んだ劣情の眼差し。
全てが嫌で、夢であってほしいと願っても嗅覚も触覚も視覚も聴覚も味覚も五感が嘘ではないとそう告げているようだった。


嗅覚は霞柱様の匂いを嗅がし
触覚は霞柱様が触れる熱を嫌でも教え
視覚は霞柱様の全てを見させ
聴覚は衣擦れの音や水音を聞かせ
味覚は霞柱の体液の味を私に伝えいた。

嫌だと逃げようと身動いでも、小さな体にどこにそんな力があるのだろうか。
片手で簡単に押さえつける霞柱様に、最初から逃げることなんて出来なかったと突きつけられたようだった
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