第34章 *スカビオサの花言葉時透無一郎
「おかしいですね…私が貴女を診た時は、こんな傷なかったはずですが…」
『…え?』
「時透君が貴女を連れてきたのですが、肋骨が4本と横腹の傷…そして足の骨折だけでした…後は掠り傷や小さな切りきずがほとんどで、足に…こんな大きな傷は…見逃すなんて事ないのに…」
『…え?骨折ですか…?』
「はい…でもそれはすぐに直せますし、もうそろそろ歩けるはずだったのですが…腱が切れてるなんて…」
蟲柱様はそういうと、優しく足の傷に塗り薬を塗る。
「もう少し早ければ、治せたかもしれません…ですが…ここまで放置となると…もう…歩けないですね」
悲しく笑う蟲柱様は、誰がこんな傷をつけたのでしょうと言葉を残して、帰っていた。
蟲柱様も気づいたはずだ。
霞柱様が自分を蝶屋敷へと連れていった際にはなかった傷。
私が目を覚ました時にはあった傷。
理由がわからなくても、誰がやったのかなんて、答えは明白だった。