第34章 *スカビオサの花言葉時透無一郎
翌日、晴れた日の午後。
霞柱様は、包帯の替えをしてくれた。恥ずかしくて断るも、自分で替えられないでしょと指摘され
渋々頷いて替えて貰う。
「次は…足の包帯を替えるよ」
『あ…はい、お願いします…』
「傷が深くて、見てて気持ちの良いものでもないからそっち見てて」
『?…はい、わかりました』
言われた通り、見ないように庭園を見る。
霞柱様は包帯をとった後、塗り薬を傷に塗って、綿紗と包帯でぐるぐると足に手際よく巻いていった。
もういいよという言葉で、足に視線を向けると
包帯はとても綺麗に巻かれていた。
「それじゃー…僕は任務に出掛けるから、大人しくしててね、どこにも行っちゃ駄目だよ?」
『はい、わかりました…手当てしてくださってありがとうございます。』
お礼を言うと、霞柱様はにこりと笑い鎹鴉の銀子と任務に出掛けた。
銀子に一睨みされて、びくりと心臓が跳ねる。
『…(…私、睨まれるような事したかな?)』