第33章 *蜂蜜を更に甘く煮詰めて(時透無一郎)
香りが…時透様から香るフェロモンがたまらない。
それは時透様も同じなようで。
先ほどからじわじわと熱を含む浅葱色の両目は私を突き刺さんとばかりに、こちらを見据えていた。
「そろそろ…一緒になってもいいかなって思ってたんだよね」
その言葉を皮切りに、時透様は私をひょいっと軽々しく持ち上げた後、家につかつかと入り知らないはずなのに迷うことなく寝室へと向かった。
『とっ時透さまぁ…』
「辛いでしょ?すぐに楽にしてあげるからね」
こんな近くでフェロモンに充てられれば、正常な思考なんてもう何一つ残っていなくて。
内からくる度を超えた強い欲望を早く取り除きたくて、時透様に助けを乞う。
時透様は私の衣類を全て剥ぎ取った後、私の足を左右に開いて
その中央に指を2本ゆっくりと差し込んだ。
「凄いなぁ…まだ何もしてないのに、もうこんなに濡れて…」
奥まで入れたと思えば、ギリギリまで指を差引き、また奥へと差す。
私の反応を見て指を動かす、時透様がある1か所に指が掠めると
強い快感が押し寄せてくる。
「へぇー…ここがイイとこなんだね」
『っ…』
軽くイく私に時透様はくすくすと楽しそうに笑う。
達したばかりなのに、それでもまだもの足りず時透様にすり寄り甘える。今は身分がどうだとか、時透様とそんな大した接点がないとかどうでもいい。一刻も早くこの狂うような熱をなくしたかった。
時透様のモノが私の中に少しずつ押し進んでいく。
容易く受け入れる私に凄いねと至近距離で嬉しそうに笑うものの、その瞳はとても暗くて思わず顔を逸らした。
「ねぇ、こっちを向きなよ」
片手で私の顔を掴み無理矢理
正面を向かせられる。
その間にも腰の動きは、止まることなく私を攻め
その度に何度も達すのに、やはり物足りない。
ぐちゃぐちゃに溶ける私を嘲笑いながら、攻め立てる時透様はどうしてこんな酷いことをするのか…
そんなこと考える余裕はないはずなのに、とても辛くて悲しかった。