第32章 *金米糖の甘さ時透無一郎☆
「っ…僕宇髄さんの嫁に媚薬入りの金米糖食べさせられたから…近寄んないでっ」
『え?…媚薬?』
「気持ちよくなるお薬…今の僕は加減がきかないから、君を滅茶苦茶にしたくなっちゃう…だから今は離れてっ」
ふーっふーっと荒い息を吐き出す。
今も押し倒したくて、奥にいれて思いっきり腰を打ちたくてたまらない。
それでも、なんとか抑えている。
大切にしたいから。
こんなことで嫌われたくはない。
それなのに、おかしいな。
はまだ部屋を出ていかない。
それどころか、躊躇う手は僕のモノにそっと触れ刺激を与えた。
「うっ……何してっ」
『無一郎君が辛い思いしてるのに、離れたくなんかないよ
私で楽になれるなら、いいよ…無一郎君』
その言葉を聞いた途端、を畳の上へと押し倒した。
駄目だと思ってるのに、体が言うことを聞かないみたいにの肩をぎゅっと掴む。
「いいの?…っ…優しく出来ないかもよ…」
『怖いけど…無一郎君なら大丈夫』
そう言うの瞳は期待と不安が入り交じっていた。
の柔らかくて温かい唇に己の唇を重ね合わせ数回ちゅっちゅっと優しく合わせる。
は嬉しそうにそして恥ずかしそうに笑う。
そんなの唇を舌でこじ開けて、奥にひっこんでる舌を探しだし舌で絡める。
飲み込みきれなかった混ざった唾液が頬を伝うけれど拭う余裕すらない。
体が熱くて体温を冷やそうとした僕は隊服を脱ぐ。中のシャツも脱ごうと釦に手をかけたとき隙間からころころと金米糖が落ちての上にちょこんと乗った。
あの時詰め込まれた1つが口の中に入らず、シャツの中に入ったんだと瞬時に気づく。
その金米糖を1つ手に取った僕はチャンスだと思い、の口の前に差し出した。
「金米糖、食べて?」
『え?…でもそれって…』
「これを食べればの痛みも少しは緩和するかもしれない」
そう言えば、は口を開けて金米糖を食べた。
忍用として作られたのだから、効果は絶大で。食べた瞬間すぐにの反応は変わった。