第31章 *雁字搦めの蜘蛛の糸(時透無一郎)
「っ…全部飲んでね?」
速度を上げ突く彼に、あと少しで終わると悟ったはこくこくと必死に首を縦にふる。
息を乱しながら、腰を動かす彼が
彼の長い髪が頬を撫でる感触がとてつもなく気持ちが悪い。
はぁっと小さく喘ぎ、隙間を埋めるように腰をぴったりとくっつけてはよほど我慢していたのか
勢いよく射精し白液で咥内を汚す。
粘着液のように喉に張り付くソレを体が拒絶するように飲み込めない。
「早く飲んでよ、それとも酷くされたい?」
飲むのを躊躇うように時透を見上げれば、眉間に皺を寄せ早く飲めと急かす。
体を恐怖で震わせ、なんとか嚥下するように喉を動かせば精液は胃袋へと下っていった。
飲み込んだのを見届けた時透はずるりとの咥内から自身を抜くも、欲を出したばかりのはずなのにまだ物足りないと雁首を上げる。
その様には眩暈にも似た何かを感じた。
「ほら、まだ終わりじゃないから、足広げて」
体を下にずらし、の両足を掴むと左右に開脚させる。
そこは前戯で本心とは裏腹に迎える準備は出来ていた。
甘酸っぱく香るソコは雄をいまかいまかと待ち望んでいるように
蜜を流しては、床へと何度も伝う。
「これ、僕が触っただけじゃないよね?期待してるの?」
『ち、違っ「違わない、僕のを咥えこんで君も
欲しかったんじゃないの?」』
言い淀むの言葉を重ねて、否定をする時透には視線を泳がす。