第29章 ぱろでぃ キメツデレラ 時透無一郎
『す、凄いわ…こんなに沢山の人がダンスを踊ってるなんて…それにこの御馳走』
色とりどりの食べ物が細長い白いテーブルの上に綺麗に盛り付けられ目を奪われてしまう。
『これ、美味しそうだわ』
その中の1つ手に取り口の中入れれば、甘いソースが口一杯広がって幸せな気分になった。
御馳走を楽しんでると急に音楽がピタリと止み、会場は一気に盛り上がった。
は食べることに夢中で気づきません。
『これも、美味しいわ!!あ、これも!!』
時「…凄い…食欲」
『うん?だって、美味しいんだもの!!』
頬張るの前に現れたのは、中性的な顔立ちと長い髪が特徴のこの国の王子、時透君です。
時「炭治郎…が食べるの止めてくれないんだけど」
さん、さん!!王子が目の前にいるのですから、照れたように笑い…そのあと仲良くなって話すシーンですよ!!
『っんぐんぐ…ご、ごめんなさい…ええっと…』
時「…宜しければ僕と一曲踊ってくれませんか?」
シンデレラは喜んでと返事を返すと、王子とホールのど真ん中で沢山の人に囲まれながら踊りました。その後も時間の許す限り二人は沢山お話しして、仲良くなっていきました。するとそんな二人の仲を裂くように12時を知らせる鐘の音がゴーンゴーンと大きく鳴り響きます。
『大変っ!私帰らなきゃ!!
王子様、素敵な時間をありがとう』
シンデレラは王子に別れを告げペコリとお辞儀をしたあと王子の制止の言葉も聞かず足早に城を後にします。
王子も一拍遅れてシンデレラの後を追いかけました。
時「ねぇ、待ってよ!」
慌てて階段をかけおりるシンデレラに王子の声は届きません。
急いでかけ降りたシンデレラはガラスの靴を落としてしまいました。
『っ?!』
けれどもガラスの靴を拾う余裕なんて今のシンデレラにはなく、
仕方なくガラスの靴を諦めて馬車に乗りました。
馬車は一瞬でその場から消えてなくなり王子はガラスの靴の前で足を止めます。
そして、王子はガラスの靴を拾い上げ、従者を二人呼びました。
時「僕はじゃないと結納しない」
不「時透ォ…本音を言ってどうするつもりだァ」
甘「無一郎君に愛されるなんて素敵ね!胸がキュンキュンときめくわぁ」