第29章 ぱろでぃ キメツデレラ 時透無一郎
舞踏会当日。
冨岡さん達は、早速お城へと向かいました。
残された可哀想なシンデレラ。
いつのまにか自室となった屋根裏部屋で一人しくしくと泣いています。
『…お城のパーティ行きたかったわ…綺麗なドレス着て美味しい食べ物があって』
けれど、着ている服はボロボロ。
この状態でお城のパーティは所詮夢のまた夢…無意味だったと諦めかけたその時です!
こんこんと来客を知らせるノック音が。
音に気がついたシンデレラは玄関へと向いドアを開けます。
するとそこにいたのは厳つい姿をしたとても派手な人。
宇「やっと、俺の出番がやって来たぜ…派手な演出よろしく頼むぜ」
『……さようなら』
宇「ちょちょちょっ!…おいおい…無視とかそりゃーないんじゃねぇの??……俺は神だ!!!可哀想なシンデレラの為に一丁ド派手に願いを叶えてやろう!!」
男は自分は神だと崇めろ騒ぎ立てる。彼は神と大声で話してはいるが、手にもった杖はきらきら輝いて、頭に乗った小さなとんがり帽子は神とはかけ離れたものだった。
『ええっと…魔法使いさんよね?』
宇「いんや!!神だっ!!」
『……何しに来たの?』
話が噛み合わないとシンデレラは痺れを切らしはぁーっと長いため息を溢した。
そんな呆れた眼差しを送るに自称神はわたわたと慌てだし、無理矢理話を続けた。
宇「し、シンデレラがあまりにも可哀想だから、ここは俺がド派手に1発贈り物をやんよ!!」