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鬼滅の刃 戯れ事 (短編)

第24章 *願わくは夢でありますように 時透無一郎


包帯で頭をぐるぐる巻きにしほっぺには湿布が。
傷だらけの無一郎を目の当たりにし、うまく足に力が入らずヘタりこんでしまう。
這いつくばりながら無一郎のもとへと近づくも、彼は目を閉じたままか細い呼吸をするのみ。
あまね様は一命はとりとめたから、後は目覚めるのを待つのみと教えてくれた。

鴉に告げられた時も、あまね様に伝えられた時もでなかった涙がまるで堰を切ったように双眸から溢れ落ちていく。
怪我人が寝てるのにも関わらず、大きな声で泣く。
涙はどんどん溢れ、それでも枯れることなくどしどしと流れ落ちる涙は畳の上に落ちシミとなって消えていった。
それでもこの声は誰にも届くことなく、もう会えない大事な幼馴染みの片割れを想う深い悲しみが落ち着く頃には深夜に差し掛かろうとしていた。


あまね様とここの屋敷の主お館様は私のことを考慮して、しばらくこの屋敷に住んでいいと言ってくださった。
その言葉に甘えて、ここに住んでから早3日と経つが無一郎は一向に目を覚まさなかった。
そして、兄の有一郎は埋葬をしてお別れを告げた。

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