第3章 *鬼になった女の末路 竈門炭治郎
「…なぁ、炭治郎…お前最近変じゃないか??」
ある日、一緒に任務を終えた善逸が俺の心配をした。
それに、伊之助も確かにお前変だと騒ぎ始める。
「…別に?いつも通りじゃないか…?」
「嘘だ…だって凄い変な顔してるもの…別に言いたくないなら無理に聞かないけどさー…俺達、仲間なんだから…」
「そうだぜ!!権八郎!!」
「いや、炭治郎だから!!」
気にする二人に口では感謝するも、心の奥底ではほっといてくれと思う自分がいる。
これはを守るためだから、誰にも知られてはいけない。
たとえ大切な仲間だとしてもだ…。
「…っ遅くなったっ…」
早く戻らなければ、がお腹すかせて俺を待ってる。
が住む山へと全速力で向かう。
その道中血の臭いがした。
そして、血の臭いとともにの嬉しそうな匂いも。
『…んーー!!数か月ぶりの人間の肉!
やっぱり、血だけじゃ物足りないよねー』
「…」
『あ…炭治郎…見つかっちゃった…』
は大きな岩の上に座り死んだ人間を食べていた。
上半身と下半身を引き裂いて、溢れる血を美味しそうに飲む姿に
「…何故逃げたんだっ…」
『逃げてないわよ…こうしてまだここにいるっ?!』
が何か言ってるが耳に入ってこなかった。
食べてる人だったものを無理矢理引き離し、に頭突きを食らわすと彼女がふらつきながら倒れる。
失神する彼女を抱き上げ、彼女の家に戻る。
視界の端に見えた肉の塊にイライラとした感情が募る。
今、の胃の中はそいつで満たされてるからだ。
酷い嫉妬心にカラレル。
が人を食べたなんてことなどどうでもよく思えてきた俺はやはり可笑しくなったのか…。
洞窟へと戻れば彼女を地面へとゆっくりと降ろした。見下ろす彼女はとても綺麗だった。閉じられた瞼に吸い寄せられように唇を押し付ける。
唇、鼻、口へと少しずつ下へ落とせば、彼女は擽ったそうに眠ったまま身を捩る。
「ああ…忘れてた、藤の花つけないとな」
藤の花がついた紐をまた両手両足に括り、
彼女に覆い被さる。
閉じ込めてきた感情にもう蓋などは無意味で、
溢れてくる欲情に身を任せた。