第3章 *鬼になった女の末路 竈門炭治郎
「水の呼吸…伍の型…っ…」
の隙をついてせめて痛みや苦しみを感じさせない方法で切ろうとするも、俺の心はそれを許さなかった。
柄頭での鳩尾をつき、気絶させる。
箱から出てきた禰豆子が心配そうに俺を見るも、
俺はこのやり方が正しいんだと自分に言い聞かせ、
禰豆子に大丈夫と告げた。
――
『…っ?!…ここはっ…』
「気づいた?…やっぱり俺にはとは戦えなかった」
『…ふんっ…とんだ臆病者ね…』
彼女の事を誰かが知れば必ず彼女を退治するだろう。
もしかしたら柱の方々も、彼女を殺すべく動くかもしれない…
禰豆子とは違って彼女は人間を食ったのだから。それも何人もの方を。
が暴れないよう、藤の花がついた紐を両手両足につけ枷をつける。
藤の花の香りにやられて、彼女はぐったりとした様子だった。
『…私をどうするつもり?なんで殺さないの?…貴方、鬼狩でしょ?』
「もちろん…だけど俺は頸を切れない…だからといって、を野放しにするわけにもいかないからここから出すわけにもいかない」
『私を飼い殺すつもり?』
冗談混じりに鼻で笑う彼女に俺はまっすぐ彼女を見つめ
「そのつもりだよ」
と笑う。
何故だろうか。今の俺はとても高揚してる。
久しぶりにに会えたのもそう。話したのもそう。
今まで抑えてた気持ちが溢れ出てくるみたいだ。
それから俺との生活は始まった。
ここは山の奥にある洞窟。
禰豆子でさえこの場所を知らない。
任務から終えれば、彼女の待つ洞窟へと戻る。
誰にもまだこの場所で俺が鬼を匿ってるなんて知られてないはず。
ここの山付近には鬼の情報なんてないはずなのだから。
『…お腹すいた』
「っ…ほらっ」
自身の腕を切り、血を流す。
皿に溜まった血を彼女へと渡せば美味しそうに俺の血を舐めとった。
その姿にドキドキした。
『ねー…炭治郎…いつまで私を閉じ込めるの?』
日に日に彼女は同じ質問を俺にぶつける。
縛られて動けない退屈な毎日が続くからだろう。
任務がない日、空いた時間は全て彼女へと費やしていた。
不審がる善逸、伊之助には気づかないふりで。
そして俺はまた同じ答えを彼女に伝える