第21章 *夢見心地のお姫様2 時透無一郎☆
全速力で普段通らない道を駆け抜ける。
大通りへと抜ければ、膝に手を置き全身で呼吸をするように空気を肺一杯に吸い込んでは、ゼーハーゼーハーと色気もなく呼吸を整える。
知らない知らない、あんな淫らな光景。
だって、保険の教科書にはあんなこと載ってなかったもの!!!
え、男の人のあれってあれが中に入ってあれやこれやとしてあれがあれで?!
パニックに堕ちる私は思考を振りきるように、頭を左右にふってこれ以上考えない、思い出さないようにと心に決める。
じゃないとキャパシティーオーバーしてどうにかなりそうだった。
『あーー!!時透君の家にせっかく呼ばれたのに、急に帰るって駄目じゃない?!馬鹿じゃない?!』
一人ぶつぶつとぼやきながら、虚しく帰路につく。
いつもの見慣れた通り道をとぼとぼと歩く私にせせら笑うかのように風が私の髪悪戯に揺らした。
重たく沈んだ心で、帰宅した私はご飯も風呂の時もどこか上の空で
手短に終わらせ、湯上がりの温もりが残った体でベッドへとボスンとダイブし体重を預けた。
柔らかい布団が私を優しく包み込む。
その優しさに甘えるように、目を閉じては睡魔がすぐに私を襲い夢の中へと堕ちていった。