第20章 *パンドラの箱に残された物 時透無一郎
「何、僕を求めてるの?」
『ち、ちがっ!!』
「ふーん……、でも我慢しなよ?欲しかったら後であげるから」
そのまま無一郎君と教室まで歩く。下着がぐっしょりと濡れているのが嫌でもわかった。
そんな私を無一郎君は気づいているようで階段を上りながらわざとらしく大丈夫?と聞くと嫌な笑みをこちらに向けた。
昼休み。
なんとかここまでの授業を終わらせやっと昼休みにはいることができた。
授業中振動を見せなかったソレは
坂田先生の授業の時だけまた動き始めた。
今は屋上で無一郎君と昼食をとっている。
もぐもぐと米を頬張る無一郎君は
先程から何も言わず不安だけが募る。
仕方なく、弁当箱を起き無一郎に視線を向ければ何?と一言返された。
『無一郎君…コレもう外してもいい?』
「駄目だよ?…残りの授業もそれをつけてなよ」
間髪入れずに答える無一郎君。
午後の授業もソレを着けないといけないと知ってショックを受ける私に
横目で見てた無一郎君は携帯を弄りながらくすりと笑うと何かを打ち込んで携帯をポケットにしまう。
「放課後、国語準備室に来て」
『……え?』
それだけ言うと無一郎君はすくりと立ち上がり私を置いて屋上を後にした。