第20章 *パンドラの箱に残された物 時透無一郎
「おはよう!」
『っ……おはようございます!
………ひぃっ』
「ん?どうした?気分でも悪いのか?」
坂田先生が私に向け挨拶をしてくれた。
最近、会えなくて寂しかったのもあって無一郎君がいる前で先生に駆け寄ってしまい、突然動き出すローター。
変な声が出てしまい咄嗟に口を押さえるも先生に聞こえてしまったみたいで心配される。
『っ…ぁっ……はぁ…』
「!?…保健室連れてってやろうか?」
心配してくれる坂田先生、とても嬉しいのに触れたいのに
私の中に埋まってるソレが振動して邪魔をする。
「…先生、僕が一緒にいるので大丈夫ですの事は気になさらず」
事の発端は無一郎君があんなもの強要しなければこんなことにはならなかったのに、当の本人は涼しい顔をして私の肩を抱き寄せ先生の前を通りすぎていく。
横目で見えた先生は何か言いたげな表情をしていた。
『無一郎君っ!酷いよ……先生の前であんなこと』
「あんなことってどんなこと?………それより、ちゃっかり感じていたでしょ?」
下駄箱について靴を履き替える。
今はスイッチをoffにしたのか振動はないが、植え付けられた快感に中途半端に灯された熱は行き場を失って腹の中で渦巻いていた。