第20章 *パンドラの箱に残された物 時透無一郎
『む、無一郎君っ?!!』
どうして未成年である彼が所持しているのか。そもそも条件にしてはやり過ぎじゃないかと反論すれば、無一郎君は携帯をちらつかせ
私が断れないと知っておきながらやめとく?とわざとらしく言った。
「明日、楽しみにしてるからね
」
そう言うと無一郎君は立ちあがり顔を近づける。
『っ………ふぁっんぅっむ、むいっ』
唇の隙間を狙い唾液にまみれた舌が割いて入ってくる。
逃げるように縮こまった舌を無理矢理絡めとる。
欲望のままに咥内を縦横無尽し堪能した後
唇を離せば唾液まみれの唇を繋ぐ銀色の糸が名残惜しそうにぷつんと切れた。
『はぁっはぁっ………』
息を乱す私とは真逆で無一郎君はいつも通りの表情。
んっと差し出された手を今度は躊躇なく握り返せば無一郎君は家まで送ってくれて今日が本当の意味で終わったと安堵するも、明日の事を思えば気持ちは沈んだままだった。
翌日。いつものように家を出ていつもと同じで無一郎君と一緒に学校に向かう。
もう慣れてしまった何ら変わらない
日常風景。変化があるとしたら
膣の中に入ってる冷たい物体。
まだ動いてないソレは膣の中に違和感を残してはいるものの
さほど気にはならなかった。
問題はいつどこで動くかだ。
遠隔操作もできるらしく、無一郎君が持ってるコンパクトなリモコンでいつでも動かすことが出来るのだ。
「ほら、早くしないと遅刻するよ」
無一郎君に手を引っ張られるまま
駆け足で学校に足を向ける。
校門が見えてきた。
先生達に挨拶しながら門をくぐる。