第18章 *偽愛純愛歪愛時透無一郎、竈門炭治郎
『っ…はぁっ…はぁっ』
呼吸の乱れを正そうと、空気を取り入れるもうまく出来ない。
柱である自分が呼吸を整えられない事に驚愕し、そのそばで佇む無一郎を凝視した。
「…俺、鼻が良いからさんがいつ、誰とまぐわったのかわかってしまう」
『あ、貴方…誰…』
視界が眩む中、必死に意識を保とうと唇を噛み締めるも頭の中がぐるぐると回り視界が歪む。
視界に映すのは無一郎なのに、何かが違う。
妖しく微笑む無一郎はひとさし指を自身の口に近づけ、そして緩やかに弧を描く唇から発せられたのは一つの言葉。
「ダチュラの飴玉
美味しかったですか?」
其処でプツリとの意識は失った。
「ダチュラは毒性があり幻覚作用があるんです…医学に精通してる貴女なら知ってますよね?
俺を誰と間違えてるんです?」
眠るをおぶさり、嬉しそうに鼻唄まじりに微笑む炭治郎。
誰もいない森の中を、ポツリと独り言を洩らし
その奥にある古い小屋に入っていった。
布団へと横たわらせ、眠るの口を無理矢理開け、ダチュラの成分が入った液体を口へと流し入れる。
噎せるはそこで意識を取り戻し、見慣れない場所に辺りを見渡した。
『っ……ここどこ…』
「気づいた?」
『?!…む、無一郎さま?』
声のする方へ視線を動かす。
無一郎と呼ばれてるのは、先程のダチュラが幻覚を見せているからでここにいるのは炭治郎とだけだ。
炭治郎は何も言わず微笑むと、手枷、足枷をの両手両足に嵌める。
自分が今何をされているのか気づかないは無一郎がニコニコと笑ってる姿しか見えていなかった。