第18章 *偽愛純愛歪愛時透無一郎、竈門炭治郎
「……また、無意味な事考えてるの?」
『……無一郎様……』
一人小さな池を眺めているとふと気配を感じて。
俯いてた顔を上げれば、いつの間にか隣には無一郎がたって同じように池を眺めていた。
「もバカだよね、そんなことでくよくよ悩んじゃってさ
無駄でしょ」
棘が含む言い方。だが、言葉とは裏腹に表情は穏やかににはそう見えた。
「は強い、だから柱になった…それに力の強さが全てではないでしょ」
『無一郎様…』
優しく諭す無一郎には目頭が熱くなる。
浮かぶ涙に気づかれないようにと、視線を池に戻した。
心臓が激しく鼓動を奏でているのは何故なのだろうか。
『無一郎様、ありがとうございます…お陰で少し自信がついたように思います』
「僕は何も…ただ本当の事を言っただけ」
無一郎のくれた言葉が、自信となりはもう迷うことはないだろう。
もう一度お礼をと隣に視線を移せば、ふと無一郎の袖が更に黒くシミとなってるのに気がついた。
『っ?!…失礼いたします!』
腕を掴み袖を捲れば、肘から手首にかけて深い切傷。
血は止まっているもまだ新しい傷跡だった。
また無茶なことをして、鬼の攻撃を受けて出来たんだろう。
痛々しい傷跡にそっと触れなぞるに無一郎はただを見るばかり。
『傷…治してもいいですか…?』
「…いいけど…僕、これ以上我慢できないから」
我慢できない…その言葉がどういう意味なのか、いくら鈍感なでも理解はしていた。それでもと合わさる唇。治癒が目的なんてきっと名ばかりで、本当は心の底では無一郎との口吸いを求めていた。