第18章 *偽愛純愛歪愛時透無一郎、竈門炭治郎
『無一郎様っ、大丈夫ですか?!すみません、私を庇ってこんな大きな傷…っ』
灰になって消えていく鬼を一瞥し無一郎の側に駆け寄る。
膝をつく無一郎は呼吸で止血をしたようだが、痛みに顔が歪んで
出血のしすぎで今にも倒れそうだった。
「別に…こんなの大したことじゃない」
『っ…今すぐ治しますね…ごめんなさい、失礼します』
無一郎に顔を近づけて唇を重ねる。
舌を絡め唾液を無一郎へと送れば無一郎は嫌な顔1つもせずそれを飲み干した。
すると傷が数分もしない内に閉じていく。
「っ…ほんとに凄いね…どうなってるんだろう」
『っ…はぁっ…すみません…こんな真似して…』
唇を離せば、二人を繋ぐ銀の糸がプツリと切れる。顎に伝う混ざった唾液を袖で拭えば傷の治りを確かめるように貫かれた腹部を擦る。
先程までの傷が嘘のように完治されたそこは服が破れ血が付着してるも傷は癒えていた。
「…これだけ?」
物足りない顔をする無一郎には顔を赤くして、生存者がいないか確かめに行かないととその場をごまかした。