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鬼滅の刃 戯れ事 (短編)

第18章 *偽愛純愛歪愛時透無一郎、竈門炭治郎


『誰かいませんか?』

無一郎と別れて生存者を探すことにしたは暗い山の中を一人で歩く。
遺体は数名見つけるも、生存者はまだ見つからない。

『もう、全員駄目ですかね…』

独り言をポツリと呟いたの耳に微かだが、呻き声が届いた。

『誰?…大丈夫ですか?!』

赤毛の髪をし耳に花札のような耳飾りをした少年が、地面に倒れていた。

「っ…」

少年の体はボロボロで体のあちこちから血が流れていた。
きっとさっきの鬼に重傷を負わされた後、私達の気配に気づいた鬼は少年をそのまま放置したのだろう。


『ごめんなさい…今からすること不快に感じると思うけれど…傷を治させて』


「っ?!」

少年の顔を上に向かせ、接吻をする。
驚愕する少年を気にせず、縮こまった舌を無理に絡めれば少年は辿々しくもソレに動きを合せる。
唾液を送れば、噎せながらも飲み込むのを確認し唇を離した。

「…っ…い、痛みが…傷がない?」

『ごめんなさい…突然こんなことしてビックリしたよね…私の唾液には傷を癒す力があって君を助けるためにしたんだけど…嫌な気持ちにさせてしまってごめんね』


「いやっ!嫌な気持ちでは全然ないです!!助けてくれてありがとうございます!俺は竈門炭治郎と言います!」

『…そ、そっか…炭治郎君ね
私はよろしくね』

気迫に押されたじろぐには気にせず、手をとって握手をする炭治郎の瞳は輝いていた。
すっかり元気を取り戻した炭治郎はばっと起き上がる。

『あ、無理に起き上がっては駄目よ…私の傷を治す力は目に見える傷だけで、骨折等の中の傷は癒せませんから』


「それでも凄いですよ!!本当にありがとうございます!」

『…お力になれて良かったです…一人で歩けないのでしたらまもなく隠の方々が来てくれますので、ここで待っていてくださいね』

あ、鬼はもういないですから

そう付け加えて言えばは立ち上がり無一郎と合流しようと足を動かした。

「あ、あのっ!…また会えますか…?」

『私はほとんど蝶屋敷にいますので、会いやすいと思いますよ』

炭治郎に呼び止められたは振り向いてニコリと微笑みその場を後にした。
先に進めば、無一郎がこちらに気がつき歩み寄る。
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