第16章 柱と隠の恋愛事情 1時透無一郎
翌朝、何もない一日が始まった。
今日から1週間自宅謹慎なのですることは何もない。まぁ、強いて言えば反省するくらいで。
この1週間は自分の行動を考え直しそして今後このような失態をしないよう心を入れかえて自分を見つめ直さないといけないわけで。
とは言っても、反省はしてるし
文はもう纏めて確認済みでもう提出はした。やることないのが現状。
考えても仕方ないから二度寝でもしようかと欠伸をひとつした私は目蓋を閉ざす。
そんな怠惰な日が何日も重なり気がつけば1週間はあっという間に過ぎていった。
謹慎処分が解かれ1週間ぶりの本当の自由を感じる。
確かに柱の前であんなこと言ったのは駄目だったなと深く反省。
気持ちを新たに隠としての一歩を踏み出そうと玄関を開けた矢先。
もう関わりたくない全ての元凶のちんちくりんがそこにはいた。
『げっ…』
思わず言葉に出てしまう心の声。
根は素直だからなと自分で理由をつけては咄嗟にぎこちないながらも笑顔を取り繕った。
『…おはようございます!私の家まで態々訪ねてくるなんて…何のご用でしょうか?』
棘のある言い方だと、自分でも大人げないとわかるが、今一番顔をみたくないヤツがそこにはいて。
そもそもなんでこいつは私の家を知っているのか…。ストーカーか?本当だったら怖いんだけども…
張り付けた笑顔がヒリヒリと悲鳴をあげていた。
「……」
『…あのー、私の家をどうやって知ったのでしょうか?』
ちんちくりんはこちらを見たまま、微動だにしない。
私の事見えてらっしゃるのか…そもそも、認識してないのでは?
そう思い顔の前で手を振ろうと
一歩前に足を踏み出したらそいつは聞き捨てならない言葉を発した。