第16章 柱と隠の恋愛事情 1時透無一郎
『…お言葉ですが、人に石をぶつけるのはあんまりなんじゃないですか?貴方、柱なんですよね?柱だからってやっていい事と悪い事の区別もつかないんですか?』
「……」
周りが一瞬で静かになった。
ここにいる全員の視線が私に向けられている。
再度口を開こうとすると先輩のどちらかにより物凄い速さで手で口を塞がれ、勢いよく頭が地面へとのめり込んだ。
「重ね重ね申し訳ございませんっ!!なにぶん新米のぺーぺーでして!」
「にはちゃんと厳しく指導致しますので、お許しくださいませ!!」
「ね………早くて下がって」
痛む頭を押さえながら後藤先輩に背負われながら柱の前を通りすぎる。
霞のかかった瞳と一瞬目が合うも
やはり気まずくて自ら視線を反らした。
もう片方の先輩は竈門君を連れて、
お館様の屋敷を後にした。
屋敷からでると竈門君には顔面パンチを私には説教を垂れる先輩方。
「お前ふざけんじゃねぇぞおおお!?!柱、怖いって教えたじゃん!!なんで、喧嘩腰なんだよ!!バカなの?!お前は!!!」
「も、申し訳ないっす……でも、先輩流石に柱だからって」
「口答えするな!!いいか?!柱に歯向かおうなんて100万年早いんだよ!!お前のせいで少し漏れちゃったじゃん!!!」
泣きながら激昂する先輩に罪悪感が押し寄せてくる。流石に酷いことしたなと反省してると頭上を飛んでた鎹鴉に隠の上層部からいますぐ話があると伝えられ後藤先輩の背中から降り三人と別れ一人別の場所へと向かう。
到着すれば青筋たてる人が数名。場の雰囲気はすこぶる悪く隠の仕事、首かなと仕事の生命線の危うさを痛覚した程だ。
内容はもちろん、先程の失態。
上の人間にもこぴっどく怒られ、
上は上で何十枚もの書類が動き
中には後藤先輩と同じく恐怖で漏れた方も数名いたとのこと。
下された処分は一週間の自宅謹慎。
頭を冷やせとの事。そして、もう二度と柱に歯向かうなんてバカ真似けはするなと釘をうたれた。
『情報が流れるの早すぎるでしょ……』
とぼとぼと帰る道には何十枚もの反省文のおまけつき。
これから家に帰って反省文を纏めて確認してからまた提出しないとと考えると気が滅入るのかんじた。