第16章 柱と隠の恋愛事情 1時透無一郎
先輩方に付いていけば、産屋敷様の広大な敷地内へと到着した。
既に何名かの個性溢れる隊士がいて竈門炭治郎という少年をその人達の前に横たわらせる。
『……』
「起きろ 起きるんだ 起き…オイ オイコラ やい てめぇ やい!!いつまで寝てんださっさと起きねぇか!!柱の前だぞ!!」
『(柱ってこの人達の事を言うんだ…あ、さっきの綺麗な人もいる)
』
叩き起こされて、目を覚ます竈門君。
いつのまにか柱と呼ばれた人達が、私達を囲って見下ろしていた。
『…(柱ってこの人達全員の事?目の前の少年なんて私より年下じゃない)』
無表情の少年と目が合う。
表情を変えることなく、見下ろす少年の瞳は私達を見ているようでどこか遠くを映してるかのようだ。
戸惑ってるのは竈門君も一緒のようで
赤い瞳をこれでもかと言うほど見開いていた。
先程の綺麗な女性が口を開けば今からこの少年の裁判を執り行うとのこと。
そのあとに三人の柱が殺すと続けざまにいい放つ。
ここにいる柱は8人だ。
目の前にいる柱が6人で離れたところに一人と木上に一人いる。
お館様が不在の中、判決して良いのだろうか?
すると木上にいた男が口を開いた。
「そんなことより冨岡はどうするのかね」
ねちねちと嫌な攻め口調の柱は、木上で離れたところにいる柱に向け処分を問う。
すると綺麗な柱はその場を宥めて竈門君に鎮痛剤入りの水を飲ませた。
鎮痛剤を飲んで痛みが和らいだのか竈門君は柱に向け妹は鬼になっても人を傷つけない、一緒に戦えると必死の形相で訴えた。
「……だから」
「オイオイ何だか面白いことになってるなァ」
続けざまに放つ言葉は白髪頭の柱に寄って遮られた。
隠の先輩の制止も聞かずに
片手で箱を持ち上げる男は体にたくさんの古傷が刻まれていた。
竈門君の話を嘲笑いながら竈門君の妹が入ってるであろう箱に刀で貫いた。
すると箱の隙間から大量の血液がボタボタと流れ落ちていった。
頭に血が上りそうになるが、すんでのところで耐えてみせる。
竈門君を見れば、怒りで体を動かし白髪頭の柱に向かって頭突きを1発喰らわせた。
「…、そろそろ下がれ」
『あ、はい』
スッキリする心とは正反対に場の雰囲気が悪くなる。
最後まで見ていたい気持ちはあったが、先輩に言われ柱に向けペコリと頭を下げた後その場を離れた。