第16章 柱と隠の恋愛事情 1時透無一郎
「今日は那田蜘蛛山にて生存者の救助、遺体の回収等の事後処理をやってもらうからな!!」
『はいっ!』
今日は隠としての初任務だ。
主に鬼殺隊と鬼が戦った後の始末をする部隊である
先輩の後藤さんについて向かえば
現場は騒然としていた。
鬼の毒にやられ蜘蛛になった鬼殺隊士、鬼に殺され冷たくなった人達が数十名至るところで発見された。
『この包帯ぐるぐる男はどこに運べば良いでしょうか??』
「あー、そこの木の根本で!」
黄色の派手な髪をした隊士を言われた通りに木の根本に置き、
遺体の回収をするべく、森の奥へ足を進める。
『…ふー…初任務なのに凄い仕事の量…』
遺体を指定された場所に置き
手を合わせる。
自分と同じ歳の子が何人も亡くなっていた。
『私も力があったら一緒に戦いたかったのに…』
友人を鬼に殺され、鬼殺隊に入って鬼を退治しようと思った。けれど、現実はそう簡単にはいかず呼吸は使えない、体力は追い付けないで渋々入ったのが隠だ。
少しでも鬼殺隊の力になりたくて。
それなのに、自分が出きるのは後始末だけ。
『あの人…綺麗な人だなぁ』
他の隠に指示を出してる小柄な女性。日輪刀を持ってるって事は生存者なのかな?
蝶の翅紋柄の羽織を着て、紫の蝶の髪飾りを着けた人。
自分と同じ女性で歳もそんな変わらないだろうにと感心してると
頭上を飛ぶ鎹鴉が大きな声で伝令と叫ぶ。
竈門炭治郎という額に傷がある少年とその妹の鬼の禰豆子は竹を噛んでいるそうだ。
その二人を拘束し本部に連れ帰れとのこと。
『少年は額に傷があって…ん?』
草木を掻き分ければ誰かが倒れているのを発見する。近づいて見ればかなり深傷は負っているも気を失っているだけで生存者だった。
ダークレッドの髪色をした耳に花札のような飾りをつけた少年。額を見れば傷があって、鎹鴉が言ってたのはこの少年の事だと気づいた。
すぐに先輩を呼んで助けを待つ。
すると二人の先輩が応援に駆けつけてくれてその少年と刀を本部に
届けに不気味悪い森を後にした。