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鬼滅の刃 戯れ事 (短編)

第15章 夢見心地のお姫様 時透無一郎



「うけるんだけど!!」


『やめて、これ以上刺激したらガラスのハートは粉々よ』


「あんたのハートは鉄じゃなかったっけ?」


どういう意味よと千秋の頭に狙いを定めて消ゴムを放つも難なく交わされる。
消ゴムを拾い上げるとふと視線を感じてそちらに視線を向ければ時透君とばっちりと目があってしまう。
あわてて視線をそらす私はかなり不自然だろう。

今だけはこの席順に感謝だわ。
普通は斜め前や隣の席なら恋する乙女にとって最高だけれど、私の席から時透君は後でしかもその間には2席の障害がある。
平たく言えば私は窓際の最前列で時透君は窓際の最後列なのだ。

だから、私からは時透君は見えないのでつかの間の安心を味わったり。

そんな短い休み時間はあっという間に終わり煉獄先生が教室にはいると千秋は自分の席に戻っていった。



「…というわけだ!今日教えたことは全てテストに出るぞ!!覚えておくように!!」

チャイムが鳴ると同時に授業を終わらせ煉獄先生は黒板をばんと1回叩いた後、女子に囲まれながら教室をでた。
あの先生もそうだが、冨岡先生、宇髄先生…とここの先生達はイケメンで女子達からの熱がすごい。

終礼が終われば部活がある者
帰宅する者は教室を出ていく。
そんな彼らの波に時透君も溶け込んでて
これから部活だろうなと安易に想像ついた。



「元気出しなって!ほら、時透君、将棋部だっけ?もうすぐ大きな大会あるみたいじゃん?姿を見るだけで元気になるんでしょ?」

いやいや、その本人にばれて気持ちが落ち込んでるのだから今はそんな気分じゃないっしょ…

と心の中で突っ込みながらも体はなぜか意思とは反対方向で将棋部が使ってる空教室へと進んで歩いていた。


目的地に到着すればいつものごとく入り口出口と女子生徒で塞がれていた。
その隙間も掻い潜り、なんとか、時透君の姿を確認した。

『っ…』


そうだった。あの時透君の彼女も将棋部だったのだ。楽しそうにけれどもどちらも真剣に二人は盤を挟み順番に将棋の駒を打ち込んでいく。
時透君は将棋が強いのを知っていたが、彼女も強敵のようでそれなりに苦戦していた。
それでも最後には時透君が勝ち
私を含めここにいる女子達は嬉しそうな顔をした。

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