第2章 *無意識からはじまる愛情 時透無一郎
無一郎はの頬を思いっきり殴ったあと男に取り押さえられるも平然とした態度で男を見る。
今の無一郎にとってまず優先するべきことは、だ。
何故この男を家に上がらせたのか。
「(お仕置きが必要かな…)ねぇ、?…僕以外の他の男、家に連れ込んじゃ駄目でしょ?」
「…っ?…何を言ってるんだ…こいつは…」
『すみません…っ!!無一郎様っ…』
「っ?!無一郎って…か、霞柱様?!…大変申し訳ございません!!今までのご無礼、失礼致しました!!」
が無一郎の前で土下座をすると男も霞柱だと気づきすぐに無一郎を離した。
そんな二人を見下ろし、男に向かっていつまでそこにいるつもり?見たところ…君も鬼殺隊の一人かと思うんだけど、ここで無駄に時間潰してないでさっさと消えろよ…と殺意の籠った眼差しを男に向け追い払った。
「さて…今の僕すこぶる機嫌が悪いんだけど…どうしてかわかるよね?」
正直、は何故無一郎が怒ってるのか理解に苦しんでいた。
確かに話す仲にはなったのだけれど、恋仲でもあるまいし…先程のやり取りを思い返せば、やはり男を家に上がらせたのがまずかったのかと思いそれを言葉にする。
無一郎はよくできましたとの頭を優しく撫でた。
「そのままじゃ、辛いでしょ?楽にしなよ」
そのままの体勢でいるを気にかける無一郎。言われた通り足をずらし楽な姿勢をとる。
無一郎の顔を見れば、先程の表情とはうってかわって
感情に蓋をしたかのように無表情に戻っていた。
『…む、無一郎様…先程の方は…』
「…何?まさか、僕というものがありながら…他の男に尻尾振って媚びてるわけないよね?」
先程から何かがおかしい。その言い分はまるで恋人に対して嫉妬してるようではないか。