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鬼滅の刃 戯れ事 (短編)

第13章 霞柱様の継子は私だっ!1 時透無一郎




無一郎様が家を開けてから、3日が経った。
霞の呼吸伍ノ型はもう完成させた。早く完成させた技を見てもらいたい、元気な姿を見たい。何より会いたい気持ちが心を埋め尽くした。
そんな待ちぼうけの私に悪い知らせが1つ。
上弦の鬼が現れたとこと。
無一郎様は毒に犯され、毒の回りが早く深刻だとも。

そして、間もなく蝶屋敷へと治療のため運ばれると知らせが入り、
私は急いで蝶屋敷へと向かった。


『っ…はぁっ…』

「あら、さん、こんにちは」

『蟲柱様!!こんにちは!!…無一郎様は…』

「時透君は既に解毒し、今は安静にしてますので大丈夫ですよ」

にこりと頬笑む蟲柱様に
ほっとしたのか腰が抜けてその場にへたりこんだ。

良かったっ!…生きててくれて
まだこの気持ちを伝えないまま
大切な人がいなくなると思うと涙が堰を切ったように流れ出した。
止めどなく溢れ出す涙に
困った顔をした蟲柱様がハンカチを差し出す。その優しさにまた涙が頬を伝った。



蟲柱様に面会は明日が望ましいと言われたが、私の気持ちを汲んでくださり少しだけならと承諾してくれた。



口頭で部屋を教えてもらい、無一郎様がいるであろう個室の前。
控えめにノックして中に入る。

無一郎様は至るところに包帯が施されていてとても痛々しい姿をしていた。

規則正しい寝息が静まった部屋に響いた。

そんな姿に安心からか涙がまた溢れ出した。
声を押し殺しながら、涙流す。
無一郎様を起こさないように、顔を見たらすぐに出るつもりだったのに、とても離れがたかった。

『…っ』

「…そんなに泣かれたら目覚め悪いよ…」

『っ?!無一郎様っ!』

もう少し見たら、帰るつもりだった。
声も気配も消していたのに、無一郎様はうっすらと目を開け
透き通った眼差しをこちらに向けた。


「…心配させてごめんね、僕はもう大丈夫だよ」

『無一郎様っ…』

怪我してるとわかってはいても抱きつかずにはいられなかった。
上体を起し腕を広げる無一郎様に甘えるようにその胸に飛び付く。
すると無一郎様は優しく私を抱き締めた。
無一郎様の心の音が、伝わってくる。
私と同じ速さの鼓動。
体温が上昇していくのがわかった。
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