第2章 ***
不安の入り混じった…けれど期待に満ちた彼の瞳。
腰にぶら下げていた鞭を手に取り、その柄で彼の顎をくいっと持ち上げる。
「…名前は?」
「…慎太郎……です」
「…そう。私の事は"ご主人様"って呼ぶのよ?」
「はい……ご主人様」
「それじゃあまず…上半身裸になりなさい」
私に言われるがまま、着ていたYシャツを脱ぎ始める彼。
さすが体育教師というべきか…厚い胸板に割れた腹筋。
二の腕にもしっかり筋肉がついている。
「それであなたは…どんなプレイが好きなの?」
「……、俺…こういう場所は初めてで…」
思った通り…彼がSMクラブへ足を運ぶのは今日が初めてだったらしい。
苛め甲斐があるというものだ。
「…そうなの。だったら私が一から躾けてあげなきゃね?」
「っ…」
"躾"という言葉に早速興奮を覚えたのか、彼がゴクリと唾を飲む。
そんな彼の背後に回った私は、その両手首にカチャリと手錠を掛けた。
「…こっちへいらっしゃい」
「…はい」
革張りのソファーに腰掛け、突っ立っている彼をこちらへ呼ぶ。
そしてM字に脚を開き、見せつけるように下腹部のファスナーをジジッと下ろした。
「ッ…」
下着なんて無粋な物は穿いていないので、彼の眼下には私の秘部が晒される。
「まずは私に奉仕しなさい。上手に出来たらご褒美をあげる」
「……、はい」
腰を下ろした彼が私の秘部に顔を近付けてくる。
両手は後ろ手に拘束されているので、当然口で奉仕するしかない。
「ん…」
ちゅっとまるでキスをするように、私の秘部へ触れる彼。
それから舌を出し、ぺろぺろと入り口を舐めてきた。
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