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【第五人格】ある日の荘園【I dentity V】

第2章 荘園での夜 【メイン: ナワーブ・サベダー】



カチャカチャと、食器を洗い拭いて棚に直す。少しでも優しいあの人たちの力になりたくて。もう短針は右に偏りつつあるけれど、苦痛などではなかった。

「それに、とても綺麗なお皿…」

私はこの時間が幸せになりつつある。
この食器できっとまた、彼らが笑顔になれれば…

すると窓の外が光り、あぁ今日は雷だったなと外を眺める。私が捨てられた日も雷が凄かったってシスターが言っていたなぁ

「…そうだ、エマさんが育ててるお花大丈夫かな…」

そうして、窓の方へ向かった。___はずだった。それが何故か私はうつ伏せで誰かに、捕らえられている。

「っ!?」
「…これでいいか。」

その一言の後、喉元へ何かが突きつけられる。___ナイフだ。ああ、私は、殺されてしまうのだろうか。…いや、それは嫌だ。せっかく素敵な人たちに出逢えたのに。

「言え。どこから来た。さもなくば殺す。」
「ひ、っ…!う、ぐ…ごめん、なさい…っ」

二言目、声に、聞き覚えがあった。
そうだ。サベダーさんは、こんな声をしていた。でも、どうして…私はなにかしてしまったのだろうか。わからない。わからないから、謝ることしか出来なくて涙が溢れた。

「ご、ごめんな、さい…!サベダー、様…っ」
「…クライシス…?」

私の名前を呼ぶサベダー様は、驚いた声色をしていた。
しかし酷く大きな雷が近くに落ちて、窓がまるで閃光を浴びたかのように光り、それを見たサベダーさんは酷く怯えだした。

「今、何人死んだ…!?」
「へ、っ」
「何人死んだんだ…!!」
「さ、サベダー様!落ち着いてください…!」
「落ち着けるか!!教えろ、何人だ!?」
「誰も亡くなっておりません…っ!サベダー様!!」

そういって彼の頭を包むように抱きしめた。
抱きしめなければ行けないと思った。
この光を、音を少しでも遮断して彼を。
救いたい。
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