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【第五人格】ある日の荘園【I dentity V】

第1章 庭でお昼ご飯 【メイン: イライ・クラーク】


改めて隣へ腰掛けると、彼女はバスケットを開いてワックスペーパーに包まれたサンドイッチをこっちへ差し出してきた。

「わ、とても美味しそうだね…」
「自分で食べるだけだと思って作ったのでお口に合うか、分かりませんが…」
「いただけるだけでありがたいよ」

いただきます、と一言述べて口に含む。
シャキッとしたレタスにしつこくないチーズ、しっかりと味のするハムにほのかに酸味を感じるマヨネーズ。正直にとても美味しい。今まで誰かに作って貰ったものなんて食べたことがなくて。それとは別になんだか暖かいものを感じた。

「…お口に、合いませんでしたか…?」
「あ、いいや!とてもおいしいよ。優しい味がしたから少し驚いて」
「よかった…」
「あ、ほら君も食べないと」
「ぁ、え、えと、はい…失礼します」

小さな口を開いて、美味しそうに食べる姿を見て彼女も女性なのだと思う。いや、今までクライシスさんを女性と認識しなかったことはないが…
まつ毛も髪と同じ色なのだとか、彼女が動く度に香る今まで嗅いだことの無い香りだとか。何故か顔に熱が集まるようだった。

「…クラーク様…?」
「へ、っ」

一つをいつの間にか食べ終え、僕に次のサンドイッチを差し出しながら彼女は不思議そうに私を見つめていた。

「あ、ぁええと、ありがとう頂くよ」

私は今何を連想させようとしていた…?隣でこちらの心境を知る由もないクライシスさんはもぐもぐと再び小さな口を開けてサンドイッチを頬張っていた。その姿がどうしようもなく愛らしくて。
気がつけばサンドイッチを持った反対側の手で彼女の頬を撫でた。

「!?」
「…君は、とても可愛らしいね…」

ボンッと音が付きそうなほど顔を真っ赤にした彼女は、俯いてしまった。自分にも顔に熱が集まるのが分かって…今更どうってことない!とそのまま頬に手を添えた。

「…君のことが好きだよ、クライシスさん」

そうして唇を重ねた。
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