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バトルをする君が好き

第2章 ダンデ編


「もう止めよう」


ユイのジムチャレンジが終わりを迎えそうな頃、俺はとうとう彼に切り出した。

「君は俺が推薦したチャレンジャー、俺はチャンピオン…そんな関係に戻ろう」

君はまだ子供だ。思春期の欲を上手く処理することができない子供であり、キノコによって無理やり引き出された時に偶然俺がいただけ。こんなこと続けるのは、互いに良くない…そう言った。

「…………」

彼はうつむいたまま何の言葉も発さなかったが、コクンっとひとつ頷いた。

………なんだ。なんと呆気ない。最初からはっきり言い聞かせておけばよかったのだ…と、俺は自分を叱咤し、彼の肩を軽く叩いた。

「君には期待している。次はフィールドで会おう」

そして、彼を見送ろうと扉に向かおうとしたが、不意に腕を掴まれる。振り返ると、ユイと目が合った。大きな茶色の瞳が揺れ、俺の腕を掴む手が震えているような気がした。

「……………さ…最後に抱かせて下さい」

彼の申し出に、俺はため息をついた。俺が言ったことが伝わっていないのだと思った。だが、俺のため息でビクッと体を震わせたユイに、あぁ…理解はしているのだと知った。

「最後にします…お願い…します…」

いつもは荒々しい口調で俺を抱く彼が、震えた声でそう懇願したのだ。最初は断ろうとしたが、俯く顔からポロポロと水が零れ出し、結局俺は根負けしてしまった。

「…………最後だからな」

そして、俺は最後に彼に抱かれ、いつものように意識を飛ばしたのだった。ただ、いつもと違ったのは…

「………………」

行為中、ユイが一言も発しなかったことと、1度も俺の顔を見ることなく果てたことだった。
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