第2章 ダンデ編
こんな関係がズルズルと今まで続いてしまった原因は、俺にあるのだ。
「好きです…ずっと好きだったんです…ダンデさん……ごめんなさい…」
最初に抱かれたあの日。彼が泣きながらそう言うものだから、俺はつい流されてしまった。自身も限界のはずなのに、俺の尻を丁寧に解したり、挿入後も謝り続け、痛くないかと気遣ったり…正直、可愛いと思ってしまったのだ。大きな茶色の目で俺を必死に映し、縋るようにキスを強請り、愛を囁くこの少年が。
「好き…好きです。最初に会った時からずっと…ずっと…好き…」
以前会ったことすら忘れていたとしても、彼は自分の好意をずっと伝えてきてくれた。嬉しかったさ。彼が優しいことなんて、ポケモンたちを見ていれば分かる事だし、彼のバトルは見ていて心が震えるものだ。何度か見た彼のバトルから、俺のバトルスタイルを参考にしてあることは分かっていたし、たまに感じる視線からは彼からの尊敬も感じられた。ガラル地方のトレーナーたちに、君はきっと光を灯す存在になると確信していた。
だから、俺は決心した。最初以降、聞くことのなかったそれを聞いたときに。
「………ごめんなさい…好きです。誰よりも…ガラル地方の誰よりも…貴方が好きなんです」
彼が俺を抱き潰し、意識を飛ばしそうになっている俺に呟いた言葉。俺はそれに不覚にも絆されそうになっている自分がいるのに気づいた。そして、強く思ったのだ。
ガラルの光を影させるような、この歪な関係を終わらせなくてはならないと。