第4章 ホップ編
それから、数年の時が経った。俺はポケモン博士になった。新たにできた夢のためだ。
「おめでとう!! ホップ」
そして、相変わらずユイやマサルともそのままの関係だった。ユイはあのことはもうなかったこととし、俺も敢えて触れることはしなかった。
「ありがとうだぞ!! そして、2人もおめでとうなんだぞ!!」
そして今日。俺たちは成人の歳を迎えるため、ナックルシティへと来ていた。俺とマサルはスーツに身を包み、ユイは淡い服のワンピースに身を包んでいた。
「いよいよ今日だ…」
息を何度も吸ったり吐いたりをしているマサルに、俺は笑いながら声をかける。
「マサルなら上手くいくから大丈夫なんだぞ。アニキはちゃんと約束通り、マサルを待っているからな!!」
そして、目の端に映っているマスコミたちをちらりと見た。アニキが押さえ込んだらしいが、マサルに取材をしたがっている記者は多くいるし、普段よりもギャラリーが多い。全国民の前で言った告白に世間は興味を隠しきれないようだった。俺は深呼吸を繰り返した。
「なんでホップが緊張してるの」
くすくすと笑うユイをちらりと見て、マサルを見た。マサルは早く終われ…と長々と話す新たな市長にイライラしている様子だった。