第4章 ホップ編
「……アレが…来ないの……」
消えるような声で言うユイ。俺は少し考えて、ふとユイが暴走したあの日を思い出した。
「じゃあ、おばさんに挨拶に行かないとだな」
「……」
俺の言葉なんて想定内だったようで、ユイは俯いた。そして、大きく首を震った。
「なんで…なんでホップはそんなに優しいの!? 私が無理やりしたことでしょ!!!! 私が勝手に嫉妬して、薬使って…ホップの夢を壊して…!! 私だけ…幼い頃の約束にずっとしがみついてて…!!」
その言葉を聞いた瞬間、俺は頭を振り続けるユイの腕を掴んだ。あの約束のこと……覚えているのか…そう聞くために。しかし、
「ユウリ!?」
ユイはその場に座り込んだ。俺は慌ててロトムに電話をかけさせる。彼女の腕はとても冷えており、この状況はとても見覚えがあったから。