第4章 ホップ編
全て終わった。ローズ委員長は自首し、マサルはアニキに勝った。ガラルは新チャンピオンの誕生に熱に包まれた。マサルのインタビューの前に、俺は席を外した。目の端で、ユイが立ち去るのが見えたからだ。
「………ユイ!!!!!!」
やっと追いついたと、俺は彼女の前に立つ。ユイは別に驚く様子もなく、虚ろな目で俺を見た。白い顔がさらに青白くなり、体調も悪そうだ。
「………体調…悪そうだな。取り敢えず、どこかに座るところ……」
「放っておいて!!!!」
パンっと払われる手に心が痛んだが、ユイのふらつく体を慌てて支える。
「放っておけるわけないぞ!!!! 俺は…」
「幼なじみだから? だったら、尚更放っておいて!!!! 私が辞退するのとホップは関係ない!!!!」
歯を食いしばり、聞きたくないとばかりに耳を抑えるユイ。そういえば、あの時も…俺に何も言わせようとしなかった。俺は彼女の腕を掴んだ。
「ユウリ、聞いてくれ!! 俺は…!!」
「ホップに迷惑をかけたくないの!」
その瞬間、ボロボロと涙するユイが、自分の言った言葉にハッとした。
「迷惑? どういう意味なんだぞ?」
それが辞退した理由と関係あるのか…? 俺が問いただすと、ついにユイは意を決した用に口を開いた。