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バトルをする君が好き

第4章 ホップ編


「ユイ!!!!」

俺はようやくその腕を掴む。ホップには言いたくない…そう言われたが、辞退する理由を聞かずにはいられなかったのだ。

「触らないで!!!!」

強い拒絶だった。払われた手がジンジンと痛む。俺の顔を見て、ハッとするユイ。

「ちが……」

そう言いかけた言葉をぐっと堪え、ユイは俺に背を向けた。

「また逃げるんですか?」

そんなユイに声をかけたのはビートだった。ビートは大きくため息を吐き、俺の隣に並んだ。

「貴方たちのバトル見ましたよ。会場中が盛り上がっていました。幼なじみ同士の…互いの夢をかけた…負けられないバトル。僕はあんな熱苦しいのはごめんですがね」
「…………何が言いたいの…」

ボソボソと呟くようなか細い声に、俺は思わずユイを見た。その後ろ姿はとても小さいもので……そして、その肩は震えていた。ビートはそんな彼女を見て、ため息を吐くように口を開いた。

「僕にはそんなバトルをする必要がなかったんですよ。僕は自分のためにジムチャレンジに参加した。でも……貴方は違うじゃないですか。貴方は、何のために強さを求めたんですか?」

自分の思いから逃げるな…そう言うと、ビートは俺の背を軽く叩いた。そして、再び視線を戻すと、ユイがこちらを向いていた。

「………ホップ…」

だが、ユイが何かを言いかけたその時……俺たちを呼ぶネズさんが慌てた様子でこちらへ走ってくるのが見えた。
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