第4章 ホップ編
そこからは、もう何が何だか分からなくなっていた。
「気持ちいい?ホップ」
普段よりも甘い声のユイが、俺の上で腰を左右に揺らす。その度に俺の脳内は快楽で埋め尽くされる。そんな俺の様子を見て、ユイは満足そうに微笑んだ。
「よかった」
耳元でそう呟くユイに、俺の体は震えた。だが、なけなしの理性で俺はなんとか口を開いた。
「ユイ……やめ……」
「なんで? マサルのことでも考えて、ホップも楽になればいいのに」
…マサル…? なんでマサルの名前なんて……。すると、俺の疑問を感じ取ったのか、ユイは笑った。
「だって、ホップの初恋マサルでしょ」
と言った。それは誰にも言っていないことだったので驚くと、
「ホップ、分かりやすいから」
となんでもないように彼女は答える。そして、だから…と続けた。
「だから、昔のマサルみたいにお淑やかにしてたんだけどね」
それも無駄になっちゃったなぁ…そう呟くユイに俺は再び疑問が頭をよぎる。
「何で……」
「ホップは鈍感だからなぁ。そんなところも好きだったんだけど……でも今は嫌い」
ぐっとユイが顔を寄せる。
「ホップ、あの人のこと好きなの?」
あの人とはビートのことだろう。俺は口を開こうとしたが、中々力が入らない。と、ユイが気に入らないとばかりに、俺に腰を打ち付けてきた。
「んっ!!」
ビリビリとした電流が流れこみ、俺は痙攣した。だが、快楽を押し込むようにぐっと我慢した。