第4章 ホップ編
「貴方が僕の人生を滅茶滅茶にしたんですよ!!!!!!!!」
トーナメントが始まっても、ユイは俺を避け続けた。そんな中、ユイの初戦に乱入したのは、参加資格を奪われたビートだった。ポプラさんに拾われたあと連絡が全く取れていなかったため、心配していたが元気そうだった。
「ビート!! 元気そうでよかったんだぞ!!」
結果は、ユイの勝利だったが、ビートはどこかすっきりしたような顔をしていた。控え室まで逢いに行くと、ビートは俺を見て驚いたような顔をした。
「貴方…なんで………」
「俺たち、友達だろ!!」
そういうと、あの頃と同じように顔を真っ赤にして照れくさそうにするビート。俺は彼の肩を叩いた。
「そ、その……連絡できずにいて…すみませんでした。その……ポプラさんにピンクじゃないとロトムを取り上げられていて………」
「別に気にしてないんだぞ!! ポプラさん厳しそうだしな」
俺がそういうと、ほっとしたように笑いかけるビート。ポケモンたちも彼も強くなっているようだ。ユイにコテンパにされて涙目だったビートはもうどこにもいなかった。
「強くなったなビート!!」
「あ…貴方だって…」
バンッ!!
大きな音が控え室に響き渡る。ビートの言葉を遮ったのは、初戦を終えたユイだった。
「………まだいたの…」
ジロっとこちらを睨む視線に、俺は口を開きかけた。しかし、ビートが1歩前に出る。
「ええ。先程は無理を言ってバトルをしていただきありがとうこざいます」
「……ホント。それでぼろ負けして…これ以上恥をさらしてどうするつもり?」
その言葉で、ユイはまだビートを許していないのだと気づく。ビートがぐっと言葉を飲み込んだ。