第2章 ダンデ編
彼とそういう行為をするようになったのは、ジムチャレンジに出ていたはずのホップから急に連絡が来たのがきっかけだった。
「アニキ!! 大変だ!!」
ただごとではない声のホップから告げられたのは、幼なじみの少年の安否が分からないということだった。慌てて告げられたホテルに行ってみると、そこには暗い顔をしたホップがいた。
「あまりにも遅いから様子を見に来たんだ。そしたら、もう何日も姿を見せず、食事もろくにとってないらしくって…。部屋も開けるな、アニキも呼ぶな、大丈夫だってユイは言うけど……どうしよ…アニキ…」
真っ青なホップの肩を叩き、あとは俺に任せてジムチャレンジを続けることを言う。ホップは幼なじみの少女に任せ、俺はユイの話を聞こうと部屋の扉を叩いた。
「ダンデだ。気分はどうだ? 君の助けになりたい。何か俺にできることはないか?」
すると、中で物音がし、苦しそうな彼の呻く声が聞こえた。俺は夢中で扉を叩く。
「体調が悪いのか? 扉を開けてくれ!! ユイくん!!」
すると、ピタッと声が止み、ゆっくりと足音がこちらに近づいて来るのが分かった。鍵が開く音がすると、俺は勢いよく扉を開けた。
「………ダンデ…さん…」
そこには、顔を真っ赤にして涙で顔がぐちゃぐちゃなユイの姿があった。彼は苦しそうに胸を抑えながら、懇願するように口を開いた。
「……助けて…くれますか…? 最後まで…付き合ってくれますか…」
その問いに俺は迷いもせず答えた。
「あぁ!! もちろんだとも!! まずは医者だな!!」
足取りが不安定な彼を抱え、ベッドに寝かせる。そして、フロントに電話して医者を呼んでもらおうとしたときだ。
「ダンデさん」
気づけば俺はベッドに押し倒され、彼に唇を奪われていた。