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バトルをする君が好き

第4章 ホップ編


そして、とうとう俺たちは最後のジム関門であるキバナさんと戦うことになった。

「ダンデの弟か!!!!!!」

目を爛々とさせるキバナさんに、俺も胸が高鳴る。アニキのライバル…ジムリーダー最強のトレーナー!!

「楽しいバトルを期待してるぜ!! ダンデのおとう……」
「ホップです!!」

不意に後ろから声が乱入する。その声は苛立ちの足音を隠そうともせず、ずんずんとこちらへと進んでくる。

「ホップは弟って名前じゃありませ…」
「おっ!! ユウリじゃねぇか!!!!」

キバナさんがその声の主を嬉しそうに呼び、俺は慌ててユイの顔を見た。ただでさえ苛立っているのに、刺激を与えてキバナさんに失礼なことをしなければいいのだが……

「ちょっと、キバナさん写真撮らないでください!!!!」
「なんだよ、恥ずかしがってるのか? お前と写ると、いいねの数が増えるんだよ!!」

キバナさんのロトムが連写する度に、ユイはロトムを追い払うような動きを見せた。だが、その顔にはビートに向ける嫌悪感は見られない。

「キバナさんとユイは、いつの間にそんなに仲が良くなったんだ?」

しかも、ユイが俺以外にユウリと呼ばれるのを嫌がらないのは初めてだった。俺以外に呼ばれたくないからって、普段からも俺にユイと呼ばせる徹底ぶりなのに。

「な、仲良くないよ!? ただ…」
「こいつがブティックで金使い果たして、空腹で死にそうになっているところを、俺様が助けてやったんだよな!!」

空腹で…。道端で倒れた時のことが頭を過ぎり、俺はユイを見た。俺が何を言いたいのか気づいたようで、慌てた様子でユイは首を振った。

「旅に出てちょっと経った時の話!!!! ホップと約束した後はもうしてないよ!! 本当!!!!」

今日だって一緒に食べたでしょ?とユイは言うのでほっと胸を撫で下ろす。ユイを見ると、キバナさんに余計なことを言わないでという顔を向けていた。
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