第4章 ホップ編
「な、なんで…エリートの僕があなたみたいな凡人と…ともっ、友達に……」
顔を真っ赤にして、ワタワタとする姿に俺は笑った。なんだか、ビートが最初にあったばかりのユイと少し似ているような気がしたのだ。
「なっちゃ駄目なのか?」
そう問いかけると、むぐっと口を噤むビート。そして、
「あ…貴方が…どうしてもと言うなら………なってあげなくも……ないですけど…」
とボソボソと小さな声で言った。俺はビートにお礼を言って、電話番号を交換した。
「……………!!」
メモ帳の切れ端で書いた電話番号の紙を嬉しそうに見るビート。うん、もう涙は止まったようだ。
「じゃあ、俺はそろそろ次のところへ行くけど……もう一人で泣いちゃダメだぞ」
ビートのポケモンたちも心配するしな!! そう言って、俺はポケモンセンターへと戻った。
「あ、あの……ホ、ホップ!!」
ふと、ぎこちなく俺の名前を呼ぶビート。俺は振り返った。
「あ…えっと……」
何を言うか考えてなかったらしく、モゴモゴと口を動かすビート。俺はその姿に笑う。
「一緒に次の街へ行くか?」
マサルはまだ前のジムチャレンジに行っているし、ユイはブティックと美容室巡りで忙がしそうだしで、俺は今ちょうど単独行動を取っていた。俺の申し出にぱぁっと目を輝かせるビート。
「しょ…しょうがないですね!! 貴方がどうしてもというなら、次の街まで案内してあげますよ!! エリートの僕がね!!!!」
こうして、新しくできた友達のビートと次の街に着くまで楽しい一時を過ごしたのだった。だが、肝心の問題が解決しないままだった。
「……………なんで…その人とホップが一緒にいるの…?」
次の街で俺を待っていてくれたユイと遭遇し、トラウマになっているんじゃないかレベルで真っ青になったビートが俺の後ろに隠れ、さらにユイは激怒してしまうのだった。