第4章 ホップ編
「へぇ。流石都会は進んでるんだなぁ」
俺がそう零すと、マサルは苦々しそうに呟いた。
「カジッチュくらい探せばそこら辺にいるし、そもそもそんなので結ばれるなら苦労はしないだろ」
その姿を見て、俺はそう言えば…こんな話をマサルとはあまりしないことに気づく。普段から一緒にいるがそんな素振りは見たことがないため分からないが、彼もまた想う人がいるのだろうか?
「マサルはそんな相手がいるのか?」
だから、俺はなんにも考えず、彼に問いかけた。すると、少し表情を曇らせた彼を見て、してはいけない質問だったと知る。
「ご…こめんだぞ!! 今の質問は忘れて……」
「いるけど…相手にされてない」
どうやって話を逸らそうかと考えていると、マサルはさらっと口にした。そして、シーっと口元に指をやる。
「でも、相手にしてもらえるように頑張ってる最中なんだ。ジムチャレンジが終わったら…告白しようと思ってる。……これ内緒な」
顔を赤らめて、ホップだから言ったんだよ、とマサルは言う。俺はマサルにもそんな相手がいたのだと驚く反面、少し羨ましく思った。
「そっかぁ。だからマサルはそんなにも真っ直ぐに進めるんだな。凄いぞ」
俺が言うと、マサルはそれで…?と尋ねる。俺が首を傾げると、ふと先程マサルから尋ねられたことを思い出す。
「…つまり、俺とユイ…ユウリが恋仲なのかってことを聞きたいのか?」
「ってより、ホップがどう思っているのかな、と」
俺は首を傾げた。そんなこと決まっている。だから、俺ははっきりと告げようと口を開いた。