第4章 ホップ編
「ホップ!!」
「アニキ!!!!」
チャンピオンであるアニキとの久々の再会。俺は思わずアニキに駆け寄った。
「…初めまして…ユイです」
ペコっと礼儀正しくお辞儀するマサルに、アニキは少し驚いたような顔をした。そして、小さな声で、
「………彼にとっては……些細な出来事…か」
と呟いた。俺はアニキにマサルと会ったことがあるのかと問おうとしたが、アニキは今度はユイを見ていた。
「君はユウリくんだね。いつもホップから話は聞いて……」
「私もユイです、ダンデさん」
ニコッと笑うユイにアニキは不思議そうに俺を見た。俺は苦笑する。
「ユウリはあだ名みたいなものなんだアニキ。2人とも同じ名前だと呼びづらいだろって。ちなみに、こっちのユイはマサルってあだ名で……」
「俺もユイですダンデさん」
なんか…頭がこんがらがってきたぞ。俺はどうしてそこで意地を張るのか分からなかった。2人は互いを見ずに、ひたすらアニキを見つめている。
「……そうか! なら、俺は少年の方をユイくん、少女をユイさんと呼ぼう」
流石アニキだ。あっという間に話をまとめ、本題へと入った。俺はほっとし、あとでこっそり2人に理由を聞く。
「ユウリはホップにしか呼ばれたくないの」
「ダンデさんには名前で呼んで欲しいから」
そう言う2人は、どこか安心したような顔をしていた。2人とも、アニキを気に入ってくれたようでよかったんだぞ!! と俺は2人にそういった。