第3章 番外編
「なんだ、童貞でもないくせに」
「だ…だって、まさかこうなるなんて思ってもみなかったから…まさか…好きって言ってくれるなんて……夢の中でもなかったから……」
赤面するユイに、俺はフッと笑った。
「可愛いな、ユイ」
「うわっ!?」
そして、彼を自分に引き寄せた。以前よりも筋トレを増やして鍛えた胸筋の隙間にユイの顔を埋めた。
「そんな言葉、どこで習った? 嫉妬してしまうな」
「な…な…!?!?!?」
リンゴのように真っ赤になり、バタバタと身体を捩るユイ。身体を離そうと彼の手が胸部に触った瞬間、俺は甘い喘ぎ声を出した。すると、効果てきめん…ピタッと動きを止めた。
「どうやら君が触ってくれない間…敏感になったようだ。慣れさせてはくれないだろうか」
ちゅっとリップ音を立てながら額にキスを落とすと、驚愕な顔をしたユイが固まったまま俺を見る。……ふむ…まだダメか…。ならば…と俺は今度は別の方向から攻めることにした。彼を押し付けるのをやめ、今度は彼の腕を取る。
「俺はそんなに魅力がないだろうか?」
そして、そのまま俺の胸部へと持ってきた。俺の胸を凝視するユイ。そういうところ、相変わらず男の子だなと苦笑する。
「君のために大きくしたんだ。君のものだ。好きなようにしていいぞ。例えば…」
「え…あっ…」
自分の指をからませると、そのままユイの手ごと着ていた服の中に入れる。そして、
「俺の好きなこことか」
するっと滑らかな円をなぞると、ハッとしたように俺を見るユイ。
「こことか」
そのまま腹部へと滑り下り、臍の下を1回だけ優しく撫でる。自分で動かしていても、ユイが自分に触っているという事実に、俺は年甲斐もなく興奮した。
「……そして、こことか」
最後に、そのまま後ろへと腕を持っていき、背をそっと撫でる。そして、強く引っ張り、再び胸部に顔を埋めさせた。
「早く君が教えてくれ」
「あ…貴方……なんでそんな………」
あまりにも往生際が悪いユイに、俺は顔を近づけ、不機嫌な顔をした。
「ユイ。俺は君を呼ぶのに、君は俺の名を呼ばないつもりか?」